『Chicken record of a war 〜チキン戦記〜(仮)』  第1章 「裏世界への介入」   第2話 「チュートリアル」  2018年 10月22日 私は、出口の無い塀に囲まれた広場に居た。 自分の名前がなんだったのかも覚えていない。 それよりも、どこを向いても、視界の下に英語等があるモニターがついてるのがうざったい。 辺りを見ると、不細工なキモい軍人の服装の男が満足そうな笑顔でこっちを見つめている。 (困りましたね。この人、気(ホモ)がありそうですな・・・。) 苦笑いを返すと、投げキッスをしてきたのでスレスレで避けた。 「あの、すみません。ここはどこですか?」 「ん?私の名前かい?私はズンドコブッキー少尉だ。もちろん賄賂で出世した。        名前が覚えづらいなら、愛称として『ズンたん』と呼んでくれ!!」 (会話にならないですね。もう、死亡フラグ立ってる・・・。) 「君はXOPSプロジェクトを知ってるかい?もちろん知らないだろうな。」 「は、はあ。それは何なんですか?」 (何だか、ムカついてきたな・・・。) 「では、特別におじさんが教えてあげまちょんまげ。・・・ね、面白かった?」 「え・・・えぇ。まあ・・・。」 (何コイツ・・・ウザいんだけど・・・。) 「XOPSプロジェクト・・・それは、特殊な訓練を受けた傭兵を裏で送ることにより  本来なら失敗する作戦を成功に導くという裏作戦の総称である。理解できるかい?君に。」 「裏・・・作戦・・・?」 「そう、裏作戦。そしてそれに用いられる傭兵を『XOPSプレイヤー』というのだ。」 「XOPS・・・プレイヤー?何だかゲーマーみたいですね。」 「まあ、XOPSプロジェクトも裏世界ではゲームのようなものさ。」 「そして、君にはそのXOPSプレイヤーになってほしいのだ。私と同じく。」 「だが、断る!!!!!!!(即答」 「え!何で?どっか嫌なとこあった?(^^;;」 「そんな作戦とか一般人の私にはできませんよ。」 「一般人?何を言ってるんだ君は。君は・・・いや、待てよ。  とりあえず、そこのMk23を構えてみてくれたまえ。・・・そのハンドガンだよ。」 (Mk23?とても懐かしかった。脳のどこかにその単語が焼きついてるのはわかるけど、  それが、そのような銃なのか?いつの記憶なのか?自分が誰なのかは思い出せない。) 「これですか。」 (・・・!・・・何でしょう?目の前に赤い照準が表示された。確かに銃と対応してる。) 「ん?どうしたんだい?」 「あなたに試し撃ちを・・・いえ、ただ照準のような物が見えて。」 「照準?なんと!!あの新兵器を君は装備をしてるのかい?君にますます興味がわいてきた。」 (ええ!!逃げたい。けど、この人は全部知ってるようだから聞かないと。) 「その新兵器って何ですか?」 「私も見たこともないしほとんどの詳細は知らないが、  自らの生命力を自分に把握できるように表示し、FINEからDEADまで分けられている!!  それに、全身に新素材の『ボット』を投入し、重体でも活動可能にすることが可能!!  さらに、武器を所持すると武器のイメージビューと残弾と照準を表示することが出来る!!  さらに、『ボット』の持つ特殊AIに体のコントロールを任せることまで出来る優れもの!!  まさに、XOPSプレイヤーの為だけに作られた最新技術の結晶なのら!!         」 (ほほう、この人は「詳細知ってるやん!!」とか言ってもらいたいのかなぁ?  「なのら!!」とかはもしかして天然でしょうか?これは、相当痛いなぁ・・・。) 「ん?きゃーすごい!とかそういうリアクションは無いのかい?」 「はい(即答」 「一般のXOPSプレイヤーは武器名しか写らない深刻な戦闘をしているんだ。  君のような戦力は、この裏世界ではとても貴重なんだ。わかるかい?わかるかい!?」 「わかりませんよ。私には(即答」 「君はもう裏世界の住人なのら!!もう、引き返せないぞ。どうするつもりだ。」 「あの、私はいつ裏世界に入っちゃったんですか?」 「9月の25日だったと思うが、詳細は一切話すことは禁じられている。」 「では、私の名前は何なんですか?」 「え、君は自分の名前すら・・・いや、私がつけてやろう。そうだなぁ?」 「だが、断る!!(即答)とにかく、裏世界には入りたくないです。絶対。」 「では、君自信に現実を知ってもらおう。  そこの番号にしたがってXOPSプレイヤーが使用可能な武器を試してみてくれたまえ。     お勧めは、AUGとM1かな。あ、精度のいいアサルトライフルとショットガンさ。」 「重火器とかに興味は無いです。ホントに嫌なんですが。」 「・・・ああ何かムカムカしてきた。それにしてもやっぱり君はかわいいねぇ。特に尻がいいねぇ(ニヤリ」 (くそ、もう限界か。仕方無い。) 「はい、わかりました。ちょっと武器を試して見ます。」 すかさず、走り出しました。まぁ、当然ですね。 「あ、ちょっと待ってくれ。・・・残念だ。」 ガチホモはほっといて、私は重火器などを試してみました。 (まあ、ただで実銃体験できると思えばいいかなぁ。でも、開放されるのだろうか。) 誰かの声が聞こえた。やはり、『ズンたん』だ。 「準備ができたら言ってくれ、今期の新規XOPSプレイヤーは満員なんだ。  そこで、偽の情報を流して依頼し、ここに他のXOPSプレイヤーを呼び出し、  そいつらを二人で協力して殺せば、今期最後の新規XOPSプレイヤーとして、  二人きりで、作戦及び生活をしていくことができるんだ。いいだろう?  それに、裏世界ではこの仕事が最も人気なんだ。君もそろそろ解かったかい?  それと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 私は、途中から『ズンたん』の話など聞いていなかった。 (『ズンたん』と二人きりで生活?とても、危ない。いや、命に関わる話です。  冗談じゃない。けれど、裏世界で生き残るのはもうそれしかないんですって?) 色々考えましたがどれもダメです。。しかし、私は『ズンたん』のある言葉を聞いて決心します。 「あと、もし奇跡が起きてこの戦闘で生き残ったのが一人だけだった場合は、  その一人だけで新規XOPSプレイヤーとして登録を済ませてさびしく生きていくんだなー。」 ・・・そうか。『ズンたん』が死ねば一人で安全に生きていける・・・。 すかさず、持ってた、AUGで『ズンたん』めがけて乱射する。 連射すればするほど、照準はずれ、ほとんど当たらない。 すぐに、M1に持ち替え、さらに連射、連射、連射・・・。 それでも、『ズンたん』は倒れない。そして、ついに重火器の弾は尽きた・・・。 『ズンたん』はゆっくり近づいてくる。無傷だった。 「XOPSの作戦中は、基本的に味方に銃撃は効かないよ。」 (そうですか。これは面白いシステムですね。不覚にもわくわくしてしまいましたよ。^^) 「まあ、グレネードなら効くんだけどね。あ、それはTKと言ってタブーだよ。」 ふたたび、私に良からぬ考えが浮かんだ。すぐに実行に移そうとした。 (!!・・・体が動かない。) 不覚にも『ズンたんに』ハバイジメにされていました。 「ふっふっふ、やっとつかまえたよぉ。うぇっへっへっへっへ・・・。」 (あ!大変だ。逃げれない。どうしよう。) 「では・・・ん?」 その瞬間、向こう側の木箱の裏からXOPSプレイヤーが振り返り撃ちをしてきた。 『ズンたん』は私を突き飛ばし、もっていた大きな銀色のハンドガンでそいつを殺した。 「これは、デザートイーグル。俺の嫁だ・・・いや、嫁はもうすぐ君と交代かな?」 (鳥肌が立った。『ズンたん』は強い。このままだと・・・) 「まだまだ来るぞ。俺のデザートイーグルが火を吹くぜ!ははは。  君は何もしなくてもいいから、新婚生活を楽しみにしててねー!!」 (このままだと・・・・・認めない!!・・・そんなこと・・・ん?)    気づくと私は右手にグレネードを握っていた。